フィンランドの学校 インタビューとダイアログ

j先生の学校に訪問させていただきました。フィンランドでは2020年には、全ての教科で言語教育を豊かにということが、名実ともに実施されるので、学校でも様々なCLILのようなプロジェクトを4時間単位や16時間単位で動かしています。フィンランド語でする場合と英語でする場合がありますが、先生たちはどちらの言語もOKなので、ことさらにL2でCLILと言わずとも、取り組んでいます。「A:Welfare(眠育・食育が合わさったような)(英語もあり)」と「B:フィンランドの動物たち」「C:フィンランド国100周年プロジェクト(母語)」「D:クラスのアクティングC(演劇)(母語)」などです。AやBは教科横断でホームルームの先生らも英語でもするそうです。たとえば、Aでは、何を組み合わせると栄養バランスがとれるか、Bでは、それらの動物の食べ物は何で、どこにいるか(ここでは前置詞もFocus)、内容に引き込みながら、さらりと文構造を押さえるのは、ことさらに教員研修をしなくても、全員の先生が出来るようになっています(フィンランドの積み上げ型教育実習の賜物です。1回生では日本のような感じで参与観察、毎年レベルアップして4回生では、研究論文をかくぐらいの教育実習をします。4回生ではほぼ現場に週3ぐらいで通ってデータを取ったりプロジェクトをしに行ったりしている姿もみます。)先生は、それらの学生からもらう新しい教育法もすごく楽しみにしているらしく、カリキュラムに入れ込んでいました。このようなプロジェクトの教材は教科書にはほぼないので(そもそも教科書にあまりたよらない)、インターネットや自分で探したリソース、本など組み合わせてつくるのが、生きがいの様子でした。常にアンテナを高く授業づくりするのがもうライフスタイルになっているようです。j先生は、体育モデル校の主任もしていたエネルギーのある授業をされる方ですが、子供の様子を見事につかんでおられます。自分なりのチェックリストやルーブリックも、どう活用しているか見せてくださいました。全体的に、このような取り組みは日本でもされている方はいると思いますが、やはり「ICTとイントラネットとデジタル教科書」があれだけ、自由自在に使えると、楽しいと思います。自分で考えたプログラムは、学校のホームページから、担任の名前ですぐに入っていけますので、生徒はそれをみて、家でも、Welfareプロジェクトのために、一緒にクイズを解いたり、一緒に体操したり、楽しい会話がおこるようです(⇔写真)。デジタル教科書を見せてもらいましたが、これが凄い。Civilという教科が今年から入って、(日本にはないですが、少しだけ新しい道徳の要素)。そのデジタル教科書が、ディズニ並みの作りこみでした。子供らはそれをみて、無人島にでかけて、どのように協力して生きるかというバーチャルがアニメになっていて、よく考えられた問いが、そこから発せられます。ただ、美術や音楽が、このCivilのせいで減ったそうで、そこは嘆きのようすです。時間数全体増やして新教科を入れるという発想はありません。
放課後は先生方は16時には帰宅されるので、私と話し込んでくださったj先生は最終となってしまいました。16時に帰るといっても、フィンランドは小学校でもイントラネットが完璧なので、Wilmaなどの評価システムを使って、今日あったことで保護者に伝えておきたいことや褒めることは自宅のPCからアップし、プロジェクトをする場合には、その教材づくりを、いろんな場所でしています。滞在中にたくさんのダイアログをしたいと思っています。インタビュー
も半構造化でもなく、オープンダイアログになれば嬉しいと思っています。