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Educational Leadership (フィンランドのスクールリーダー研修)

校長先生や教頭先生、指導主事、それぞれの部署で責任ある立場の方がおられると思います。大変責任のある仕事で、愚痴なんて言っている暇もなければ、相談する場もなく、一人で自分学をされていることと思います。わたしも初めて指導主事になったとき、初日から大量に降ってくる仕事を捌くしかなく、共有すべきリーダーシップを何か教わったということはなく、実務は見ようみまねで、違うと思ったら自分で勝手に裁量範囲で創っていました。それが合っていたかどうかは、今思えば疑問です。一人の担任としての教師と、学校を経営する校長と、同じ視点で出来るわけはありません。指導主事なら県全体、文科省の方なら国全体です。今まで誠実に信頼を得て・・・というところから、未来へ展望へとファシリテートするリーダーの視点へと、昨日と今日で転換することは難しいです。
フィンランドのリーダーシップ研修(大学主催の単位13回の2回目)を見学させていただく機会を得ました。ユバスキュラ大学でスクールリーダーシップの博士課程で研究中のMr Yada氏の助けで、フィンランドのフィンランド語で行われた研修に金曜日と土曜日の2日に渡って参加させていただきました。この研修はMika Risku教育リーダーシップ研究所所長(Head of Institute of Educational Leadership)が、20年近く培ってこられた、学校のリーダーを育成するユバスキュラ大学が提供する単位です。助けてもらって、Google 翻訳とで半分以下ですが理解できました。学んだことは多くて、やっぱりこの方向でいいのかなという手ごたえや、フィンランドの中堅層の教育への専心ぶりを見ることができました。日本ではPISAやフィンランド大使館のパンフや情報で少しは、フィンランドの先進的教育を垣間見ることができますが、やはり滞在させていただいてしかわからなかったことばかりです。それもまだ一部にしか過ぎません。私は来年より教職大学院のスクールリーダーシップコースで、グローバル教員リーダーシップを担当しますので、そのシラバス計画とも照らし合わせて学ぶことができました。資料も大量で、またHPのほうにまとめたいと思っています。
Mika所長のまとめられた論文を読んでいましても、校長研修が実際に内実共に行われている国は、世界でもフィンランドとあと3つほどのようです。つまり殆どの国で、リーダーシップ研修はされていない。1番大事なのに、隠れてしまっている部分です。日本でも自治体が紋切り型や実務研修は行いますが実質的な継続研修少ないと思います。本学では校長リーダー研修を10年以上自前の研究会で頑張ってこられた大脇教授(今は関西福祉大学)が最近に、日本教育経営学会で受賞をされておられました。これも稀有な取り組みです。それも、やはり有志が集まっての会で、大学が単位として提供するということには今までなっていませんでしたが、教職大学院が出来て、少し前進出来ましたが、教職大学院に来れる時間作るのは至難の技ですし、それとて、中身十分かはそれぞれと思います。
私は、SLAやCLIL 21世紀型スキルが専門ですが、教育というものが根本から変わるには、やはり校長先生ー指導主事ー教育委員会ー文科省 (このHidden Line)が、トップダウン、上意下達でない研修を、本当のリーダーシップ研修を良い方向で、目指してもらうしかないと思っています。が、あまり論議されません。またそのポジションは管理職として滅私奉公になってます。このラインが旧態依然だと結局何も変わらない。昨晩は、研修後に、8人ほどの校長Tutorを務めるベテラン校長先生たちが、熱くシラバスや指導法を打ち合わせていました。議論は2時間以上続き、どの人も多くの意見を積極的に語っていました。13回のPhaseには、初発の動機啓発ー70人が6人ずつ組みチューターのWSを受けながら、フィンランド国内の学校長にを自分からコンタクトし自分のMentorを得てコンタクトをとりシャドウイングと訪問を開始するようです。YammerというイントラネットでWEB議論もしています。雪の中、広いフィンランド国中から集まってられました。金曜日は出張扱いで単位取得は校長志願条件に入っています。条件は修士、このような大学単位、教員経験の三つ。二つ目の、そこを動かしたのはMika氏のようでした。教員になるのに、修士必須でない時代もあったので、そこは考慮。Mika氏は今月、兵庫教育大学で講演予定だそうです。明日は海外へ飛びまた講演があるようでした。かつて、この単位への思い入れ、フィンランド アカデミー、つまり文科省や大学との交渉もされたようです。長年の中学校長経験で、現状を知り尽くした上での動機が強いと思いました。フィンランドといえば政府が全てしっかり改革しているのかと、思いましたが、どこの国にも、こうやって、自らのミッションを感じ取り、社会への関与へと飛び回り実践と研究とシステム作りを、1人でする方がいるのだと、知りました。フィンランドにMika氏の後継ぎは、いるのでしょうか。さて、この教育学部棟の4階は、なんと、P I SA調査 TAL I Sの調査リサーチセンター、総本山だそうです。毎日講義などで来てますが初めて知りました。F IER https://ktl.jyu.fi/en →このRUU棟
フィンランドだから、理想的な教育になってるのでなく、1人ひとりの手から、作られているその層の厚さの結実であるように思いました。またそれも、しっかり受け継がないと、フィンランドと言えども教育が劣化する可能性はあるのかも知れません。

ベテラン校長先生方がMika氏と練ったシラバスの一端を、2日目は7人ぐらいのTutorグループに分かれて、土曜日は朝から半日参加させていただきました。注入するような指導は全くなく、リーダーシップとしてのイメージ写真を選ばせて話をしたり、体を動かしたり、気づきや意識を引き出したり、理論を図式化して考えさせたり、対話をしたり、啓蒙的で温かい方法でした。Dialogueの時間です。Professional AgencyとProfessional Identityの形成をしていくというぶれない共通理解がそこにあります。(続く・・・)