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Academic Writing-研究の出版とは

Putting PhD dissertation into publishing (Monograph) 研究や実践を、論文にしたり本として出版したりしたいと思っておられる方は多いと思いますが、「How」についての講義が必ずしも博士課程に設定されていない点は、日本ではあると思います。
博士院生むけのAcademic Writingの講義が8回シリーズで終了しました。面白かったです。パラグラフライティングから始まり、Moodleに自分が投稿したいジャーナルを徹底研究してリポートを提出したり、モデルにしたいと思う論文を3本あげてその段落構成を分析させたり。国際誌に投稿した場合、どんなやりとりをするのか、リジェクトやアクセプトまでの査読内容も、匿名で教材にしてくださったり(これには驚きました。私も2年前にヨーロッパの学術雑誌の投稿で超詳しい数ページにわたる査読をいただいたことがあります。宝物にしています。)日本の査読には、まだEmotionalなものがあります。
実際に出版を果たしたばかりの院生がスピーカーで来て、専門誌の出版にアクセプトするまで、何年もかかったことなど。つまり、院生室で、「わからないよね。」
と言いながら皆で情報交換したような内容を、きっちり講義でプロが押さえてくれるわけですから、院生らも真剣にメモしていました。最後は大きな拍手が起こっていました。

本日は、博士論文をどういうプロセスでMonographとして出版したかの4年間のやりとりついて、教授自ら語ってくださいました。Ahonen教授は、ベルリンの壁に見るドイツの歴史研究と国際社会情勢について若いころにエジンバラ大学でPhDを取られ、今回は、自分の研究の出版について、院生とやりとりしながら「研究を世の中に出すといはどういうことか」の哲学にも触れてくれました。
RoutledgeやOxford University Press///などのEditor欄を開いて、Authorにとっての基本常識や申請の出し方、実際にページを開いて話をしてくれるので、大変親しみが湧きました。このような講義だと、はやく自分も研究を完成して投稿したいという動機になると思います。そもそも研究内容がCutting edge argumentであること一番の命ですね。博士1~2回生で、まだ何も書いていないときに、この話を聞いているのは、大いにモチベーション持続とゴール設定に役立つと思います。二つ目の博士だという方も結構いるので、受講者がマイクを持って自分のリジェクト暦を語ってくれる場もあり、盛り上がってました。

ジャーナル投稿論文と、モノグラフの、目的や価値の違いなども議論がありました。
このような視点の講義については帰国したら、早速自分の院の講義の一部に取り入れたいと思っています。カリキュラム過密なので、新たに開講はできませんが、パラグラフライティングは入れているので、Moodleなどを使えば数回で入れ込むことは出来るなと思いました。毎日、勉強になります。